ゴー宣DOJO

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泉美木蘭
2015.8.12 02:58

つぶやき考

このごろ、ものすごく独り言が増えてきたんだけど、これって
なにか原因があるのかしら。年齢的な問題?
一人で部屋にいる時間が多い人間にとっては、仕方ない現象
なのかしら?

テレビを見ながらつい声が出てしまう、とかではなく、
考え事や記憶をたぐっている時間が長くって、
頭のなかで思ったことが、そのまま口から出てしまうという感じ。
昨夜は、布団のなかで、いろいろ思い出して、

「だから、こーいう奴のことを言ってるんですよ!」

とか、急に言ってしまったし、
今朝は、ベランダに出たついでに、
そっと例の隣りのおじさんの窓を眺めながら、思いっきり、

「まあ、このご時世ですからねえ」

とか、言ってしまい、
近所のどこかから、シャッとカーテン引く音が聞こえた。あちゃー。
隣りのおじさんについて、近々ライジングに書くんだ、
という頭があったので、ついつい文章が口から漏れてしまった。

これが本当のつぶやきだね。
なんの意味も、脈絡もない、気味の悪いものなの。
ツイッターも、冷静に考えれば、本来は、脈絡も意味もない、
気味の悪い140文字の世界なのに、
利用しているうちに、たくさんの著名人や政治家がいたり、
メディアのニュースフラッシュが流れてきたり、
それまで知らなかった主義主張が直接流れ込んできたり、
知らない他人と「意思疎通する相手ができた」という幻想を抱いたり、
「自分の意見が誰かに読まれた、承認された」という幻想を快感にしたり・・・。

だからつい夢中になり、視野が狭量になって、
そこに重大な意味を持つ場があると錯覚しちゃうんだよね。
わかるなあ、、、ツイッターすごくやった時期あるから。
ただ、そうなると、ただの薄気味悪い脈絡のない利用者も、
自分がメディアを手に入れた、自分がメディアになった、
なんて、思い込むことになり。
で、情報の取捨選択をする能力も知識もないのに、
これは意味あることだ、と、馬鹿な見出し編集をしてメディアを気取ったり、
結果、デマを他人に拡散し、気味の悪さを増殖することになったり。
やっぱり危ないよ。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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